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【R指定】コルバニ・イード(犠牲祭)体験記・・・(2005年1月)
(注:かなりショキングな画像があります。お子様方、残酷画像が苦手な方は決して見ないように!)

 ・・・バングラデシュ全土で無数の牛が殺される犠牲祭、コルバニ・イード。正直言ってボクはあまり好きになれません。だから、これまで5年以上バングラデシュに住んでいて、自ら進んでこの祭りを見に行ったことはありません。しかし、一応この地域を専門としている以上、一通り体験する必要はあるな、と思い、意を決して体験して参りました・・・。

 ご興味のある方のみご覧ください。血の苦手な方、感受性の強い方、そしてお子様方は見ないほうがよいです。

ここはダッカのお隣サバール県のとある村。カシムさんのお宅での犠牲祭にお邪魔しました。

これがカシムさんが1万2千タカ(月給の1.5ヶ月分)で購入した牛です。ちょっと小柄ですが毛並みのよい牛です。

ま、すぐ解体されるのだから毛並みなんてどうでもいいんでしょうけど・・・。
足と首を縛られて横倒しにされ、首を上に向けます。
白いムスリム帽をかぶったフジュール(イスラム教の司祭)が「ビスミッラー・・・」とコーランの一節を唱えながら、首を斬ります。

フジュールの手と衣は返り血にまみれてます。
この一刀でフジュールの仕事はおしまい。さっさと次の家に行きます。宗教行事はあくまで生贄の命を神様にささげるところまでですからね。あとの解体作業は親族一同で行います。
頚椎のあたりを切って暴れないようにします。血が噴水のように噴出しますが、血が抜けてしまうまでとりあえず抑えます。
出血がとまったら、足首あたりから切れ目を入れて皮を剥きます。しかし、牛はまだまだ暴れるのです。
足から股にかけて皮を切り裂きます。
そして皮をめくっていきます。結構手間のかかる作業です。
これが牛を捌く道具。血のりがついてます。
こちらは隣家の解体作業。血みどろの解体作業のそばで着飾った子供達が普通に遊んでいるのがなんとも不思議な光景です。

なんだか異世界に来た感じ。
ふと見ると、少年達が凧揚げをしています。そう。日本の正月とおんなじなんですよ。
さて、解体作業は最大の難関である皮剥ぎが終わると佳境に入ります。
鉈で四肢をバサバサと斬っていきます。
斬った足は母屋へ。
腹を裂くと巨大な内臓が。弾力のある腹膜を青年達が面白がってぱしぱし叩いています。
「心臓と肝臓はとっておけ」とか、「このへんはいらんから捨てちまえ」とか話しながら内蔵をとりだしています。

牛モツっておいしいけど、ここでは食べたくないなあ。
巨大なモツ。かごからあふれています。
バラされた足とモツ。今晩料理されるのだとか。
レバーはいい色しています。
こちらでは、肉を細切れにしています。あとでモスクに寄付したり、近所に配ったりするのです。

そうそう、こうしてみると、日本の餅つきとそっくり。親類縁者が集まってもちをついて、鏡餅を神様にお供えして、小もちを近所に配って・・・。ま、こっちはちょっと血なまぐさいですけどね。
ところで、これはカシム家の塀に貼られていた貼り紙。マドラサ(イスラム教学校)が寄宿舎にコルバニ・イードの牛の皮、またはそれを売ったお金を寄付するよう呼びかけています。

なんでも、犠牲祭で捌いた肉の3分の1はモスク等に寄付し、3分の1はお客に振る舞い、残りは自分のうちで食べるのだとか。